透析室で2年目が終了しようとした頃、師長から病棟への異動の話を頂きました。しかし、私はそのお話を断りました。表向きの理由としては、透析室でようやく穿刺業務を始めたことや、透析患者さんとのかかわりを通じて食事や体重管理についてもっと深く関わりたかったこと、そして透析についてさらに深く学びたかったことを挙げました。 しかし、正直なところ本音は違いました。2年が経過した時点で、同期たちはすでにある程度一人で病棟業務をこなせるようになっていましたが、私はまだ新人と同じスキルしか持っていませんでした。透析の領域での経験はありましたが、病棟でその知識が通用するかどうかには自信が持てませんでした。 実際には、透析に関連した病棟への異動だったのですが、私の中にあるちょっとした劣等感が邪魔をして、素直に異動を受け入れることができなかったのだと思います。こうして私は透析室で3年目を迎えることになりました。 今思えば、この頃から自分の看護師としてのキャリア形成について真剣に考え始めていたのかもしれません。
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